屋外をセカンドリビングにする。~花壇を作り、植物を身近に植える~

机の上にはさみやハーフと本がある

自分でできる手入れのレベルを把握しよう

 新緑の山に行ったり、花が咲き乱れているのを見たりすると、私たちは緑の美しさに癒されます。
 そして日常の住まいにその緑を取り込み、作られてきたのが造園の歴史です。
 緑とともに暮らす、憩いの日々をぜひ感じていただきたいと私たちは思っています。
 でも、「庭に植物を植えると手間がかかり、大変でしょう?」と思われますよね。
 確かに、水をやらなければ植物は枯れますし、一方で草は伸び放題になります。

草の写真
容赦なく生えるカタバミ、黄色い花もかわいいのですが・・・・

 もちろん、50㎡の南向きのお庭がすべて土の状態です、といった条件で放置すれば、半年もたたずに草が腰まで覆い茂げるに違いありません。
 一方、毎朝の水やりと週一回の草引きをすれば、ずっときれいに保てます。
 この作業のためにどれだけの時間がさけるかで、庭の大きさを決められます。
 また、さらに庭の環境によっても、お世話の手間の内容は変わってきます。
 ご自分でできるお世話のレベルを知ることが、きれいな庭を創る第一歩です。
 そして、それにあわせて面積、場所、植える植物の内容をプランニングすれば、お庭にお手入れの問題は発生することはないでしょう。

必要なことは、庭をデザインすること

デッキとレイズドベッドの花壇
リビング前のレイズドベッドの花壇

 お世話のレベルといっても、ともかくより少ない作業量できれいなお庭を楽しみたいと思われますよね。
 まず、最初はなるべく手間がかからないお庭を計画することから始めませんか。
 うまくいけば、徐々にレベルアップしていってください。
基本は、
 1、面積を小さくする。
 2、形を工夫する。
 3、植える植物を考える。
 4、日当りを考える。
 5、水やりを簡単にする。

 花壇も写真のように高い位置にあれば、リビングからも緑がよく見えますし、お世話もかがまないので楽に行えます。
 リビングから見える位置に、樹木を配置することで隣家からの目線も穏やかに遮ることもできます。
 また、植える植物にもそれぞれの性質があり見た目の好き嫌いも選択の条件にはなりますが、生育スピードや広がり方なども考慮に入れて選ばれると日々の作業量も大きく変わってきます。
 ぜひ、プロにご相談ください。

庭は、一番身近な自然です。

ショウビタキ

 たとえ、都会の住宅地でも庭があると野鳥も訪れることがあります。その種類も意外と多いのです。
 スズメはもちろんですが、シジュウカラやヒヨドリ、オレンジと黒の姿のショウビタキも飛んできます。
 赤い実のなるジューンベリーを庭木にしたり、樹木に巣箱を備え、フルーツを枝にさして置くと、彼らは庭を訪れてくれます。
 巣箱の入口の大きさを変えることで、ある程度度の鳥に利用させるかを決めることもできます。4~5㎝ならムクドリ用ですね。

ピザとブロッコリー
庭でとれた野菜で作った料理を庭でいただく喜び。

 地面でなく、作り付けのベンチの後ろの花壇で育てたハーブは、日当りもよく水はけもよい環境で育つので元気いっぱいです。
 取れたてのバジルやローズマリーをささっと取ってきて料理に使います。
 もちろん、庭のお気に入りの場所であるアウトドアリビングでいただきます。
 おいしいことは言うまでもありません。

木製パーゴラがある庭の写真
日差しを和らげるオーニングのあるテラスで、お庭のハーブでお料理をいただきます。

屋外をセカンドリビングにする。〜屋根をつけて囲う〜

パーゴラのある庭

 屋外をセカンドリビングにするためのポイントとして、二番目にご紹介したいことは、是非、屋根を考えて頂きたいということです。
 もちろん、屋根をつけますと夏の強い日差しを和らげたり、雨よけになるというメリットがあります。しかし屋根をつけることで、なぜ、庭をセカンドリビングとして利用しやすくなるのでしょう。

ターフのついたパーゴラとルーバーフェンスでお隣からの目線を完全シャットアウト

庭に出る理由をつくる

 屋根をつけることで、心理的にはお部屋感覚を覚え、屋外感が下がります。
 考えれば、日本では昔から東屋やお茶室が庭に設けられておりました。
 庭でありながら室内である空間で遊ぶ、これがアウトドアリビングの心地よさでしょう。昔からあったんですね。
 アウトドアリビングは庭と室内の中間地点。この行き来を柔軟にバリアフリーで行える空間づくりが大切です。

囲われる心地よさ

 猫のように、狭いところがなんとなく心地よかったりとか、人は敵から身を守るという、動物の生きるための本能を隠し持っています。
 このために囲うということで安心感が得られ、プライベートな空間を存分に楽しむことが可能になるのです。
 特に、都会の住宅環境ではとても気になる、隣地の二階からの視線を屋根構造で、自然に遮ることができます。
 庭における屋根としてまず思い出されるのが、パーゴラ(pergola)かと思います。

 パーゴラは、イタリア語で「ぶどう棚」が語源の構造物です。その名の通り、葡萄などの植物を絡ませると、植栽に高さを出すことができます。
 下の写真のように、パーゴラに伸びた緑の葉やあちこちで咲いてくれる花々は、とてもお洒落で私たちを植物のカーテンで包んでくれます。

バラを誘引することで、バラに囲まれた空間をつくることができます。

覚えておきたいポイント

 アウトドアリビングは、第二のリビングです。ご自分で、ご家族で寛ぐことができる空間になさって下さい。
 ターフ付き屋根があれば、日差しが強い季節もお子様プールやバーベキューも楽しめます。少々汚れても大丈夫。

 植物が大好きな人は、是非つるバラや、クレマチスやハニーサックルなどを、食通な方は、キーウィやマスカットもおすすめです。
 植物が苦手な方は、ラグジェアリーなファニチャーをご用意ください。ハンモックなどを取り付けても素敵です。あくまでものんびり、気ままに。

屋外をセカンドリビングにする。〜壁を囲い、視線をシャットアウトする〜

デザインんされたタイルの壁

塀、壁はキャンパスです。

 垣根や塀は前面道路や隣地との境界を示して互いのプライバシーを守り、かつ庭の眺めの背景にもなる重要な存在です。市街地に建てられた住まいの庭にはほとんどの場合、すぐ隣地や道路が見えてきます。リビング前の庭のすぐ横には、お隣の室外機や水回りの窓や、勝手口などがあるのが普通です。
 気ままに庭に出たり、庭を眺める際に大切なのは、このお隣様問題解決が大切です。目隠しには、フェンス、垣根にはツゲやシラカシを用いるケースが多いのですが、ただ単にプライバシー確保のみ考えると、味気ない背景になってしまいます。
 せっかくの背景を住まいとともにデザインし、室内外の雰囲気が連続するような質感や色味を選び、デザインすることで、より豊かなライフスタイルが生み出されます。

2方をデザイン壁で囲われたテラス。
2方をデザイン壁で囲われたテラス。

変化をつけるテクニック

 上の写真のテラス庭は、気兼ねなく過ごせる庭にするため、三方向に壁を設けています。しかし、流石に3方向を同じ調子で囲むと単調に、しかも相当の圧迫感が発生します。
 そこで、壁は凹凸をつけ、高低差を考え、ベンチや花壇を取り込んでいます。計算尽くされた、バランスや経験に基づいた確かなデータが心地よさを生み出します。それは、デザインテーマの統一性やカラーバランスの実績とも言えます。

壁とベンチのあるテラス
シンプルにデザインされた壁とベンチのあるテラス

 このリビングテラスは、さらにシンプルな壁とベンチで構成されています。一般的にシンプルになればなるほど、そのバランスは作品の出来栄えを左右します。
 住まいのリビングから眺めた目線、テラスに出た場合の目線、またベンチに座った時の目線を十分に検討した上でなければ、壁、ベンチの大きさ、配置は決められないものです。ぜひ、こだわっていただきたいところです。
 
 単にプライバシー確保のみに考えられがちな塀や壁を素材感や色合いやフォームにこだわると新たな美しい眺めを創出できます。ここに、樹木や遠くの景色の借景など、まだまだ取り込みたい風景はあります。

“屋外をセカンドリビングにする。〜壁を囲い、視線をシャットアウトする〜” の続きを読む