優しき石模様に包まれた、融和とバランスのある外構デザイン

白い外構写真

□ご相談

Y様とは以前からのお付き合いがあり、当社の社風やデザインへの向き合い方をご存知でしたので、初回の打ち合わせから和やかに進みました。

□ご要望

今回のご相談は「自分の望むデザインに出会えない」という問題を抱えてご来店くださいました。敷地や建物の条件から、車・人の動線は明確でしたので、アプローチ、ガレージ位置などは自ずと決まってきましたので、主に意匠とメンテナンスに関してご提案をいたしました。

□コンセプト

お客様とお話を進めるうちにお人柄が優しく、終始温かい空気に包まれるような気持ちになり、コンセプトは「優しさと温もりを感じる」というキーワードに集約されていきました。

□ご提案内容

対象地は角地で、非常にダイナミックに魅せることができる地形です。外回りはシンプルかつ大胆に、建物を大きく受け止めるような外観イメージを目指しました。

一般的には末広がりやひな壇のようにどっしりと構えることで重厚さを表現しますが、本件では逆に上方への広がりを持たせ、壁に軽やかな動きを出しています。

ファサードで一番先に目に入るシャッターゲートは、門屋一体型とすることで、水平ラインのダイナミックさと建物との絶妙なバランスのサイズ感に収めています。この「丁度良いバランス」とは、大きな工作物であっても、通行人やお客様に威圧感やストレスを与えないよう配慮したものです。

建物を融和的な雰囲気に包み込みたいという意図から、化粧タイルの選定にもこだわり、優しい石材の柄パターンを3〜4度変えて試行錯誤しました。ものすごくうっすらとした石模様が映し出され、色の際立ちなども非常にマイルドな表情です。

この石の壁の表面に筆記体で表現されたエレガントな金属製の表札を付けました。ブラックでありながらも腐食されたような斑模様の風合いを持っていますので、角がとれた「柔らかさ」という面持ちの雰囲気を持ちあわせ、空間に新たな雰囲気を添えてくれています。

そして、門扉の奥にある石積み壁もその演出に一役買っています。採用したのはカナダ産のグレーの石材で、色調に大きな変化がなくマットな質感を出すことができる石種です。

この石材は、私が常滑の材料置き場まで実際に足を運び、目と手で確認して採用したものです。あらためて現物をリアルに見るという重要性を改めて実感いたしました。

お庭周りには大理石調のタイルを使用し、植栽に囲まれた中でご夫妻がゆったりとくつろげる空間をご提案しました。

また、オリジナルの袖壁ランプには厚さ10cmのリサイクルガラスを使用しています。中には気泡があったりクラフト的な表面のテクスチャーが温かみがありますので、ベンチで過ごす際にその色味と風合いを近くで感じていただけるのではと意図しました。

内と外の空間が一体となり、住み心地とデザイン面での両立が実現した作品となりました。

出された提案がしっくりこないといったご相談は、五感プラスでもよくあります。

住宅の打ち合わせと同様に、外構への想いを言葉で伝えることができるお客様は少ないと感じています。そのため、全てを業者任せにしてしまいがちです。

そのような打ち合わせから出てきた図面は「確かに要望は叶っているけれど、何かが違う」と感じ、再度別のプランを依頼する、というスパイラルに陥り、結果的に答えが出ないまま路頭に迷ってしまうケースをよく耳にします。

五感プラスでは、お客様のご要望はもちろん、その動機まで深く探ることを大切にしています。これにより、お客様ご自身も気づいていなかった想いを共有でき、より良い住環境を創ることができると考えています。

住所:奈良県奈良市
施工面積:約70坪
施工期間:約90日
デザイナー:梅原 耕作
スペシャリスト:green space WA